あの人は今 vol.17 大島 拓也さん

マイナビ卒業生は今、どこで何をしているのかを追う「あの人は今」。今回は大島拓也さんを取材させていただきました。

大島さんは2009年に毎日コミュニケーションズ時代に入社し、転職情報事業部に配属。その後はメガベンチャーやスタートアップなどでキャリアアップを重ね、2025年に認知症をAIで支援するスタートアップを創業しました。認知症という身近ながらも意外と知らない課題についても取りあげるのでぜひご覧ください!

(取材:羽田啓一郎)

マイナビ時代に叩き込まれた営業としての基礎

ー今日はよろしくお願いします!大島さんは転職情報事業部で営業をされていたんですよね?

こちらこそよろしくお願いします、はい、ちょうどリーマンショック直後に入社したのでなかなか厳しい時期でしたが、マイナビで営業としての基礎を叩き込んでいただきました。商談の時はもちろん、宴席の場でも喫煙室でも、相手がどう感じるかを想像しながら会話するのが営業の基礎だ、と。当時はいまいち腑に落ちてませんでしたが、その後のキャリアの中でめちゃくちゃ活きましたね。また数字に対する執着心も、その後働いた会社よりもマイナビのほうが厳しくてそれも自分の糧になっています。

ーではその後のキャリアをざっくり教えていただきたいのですが、マイナビの次はGREEに転職されたんですよね?

はい、もっと自分の力を試してみたいと思って当時勢いのあったGREEに転職して他社とのアライアンスを作っていく仕事をしていました。そしてその後エムスリー、Amazon、AI医療スタートアップのUbieを経て今年独立した、というのが私のキャリアです。

ーその後なぜ独立しようと思われたのでしょうか?

ありがたいことに会社員として本当にさまざまな経験をさせていただいて、やり切った感があったんです。ちょうど40歳になるタイミングでこの後のキャリアをどうしようかなと考えた時に自分の力でチャレンジしてみたいなと。最後に働いていたUbieの同僚でこの人となら絶対やれると思う人がいて、彼を誘って共同創業したのが今年立ち上げたAOGU株式会社です。

ー共同代表である坂田さんですね。どうして坂田さんと一緒に創業しようと思われたんですか?

違う才能を持つ人と仕事をするとすごい可能性が生まれるんだな、とこれまでのキャリアで学んだのですが、坂田は僕と異なる視点とスキルセットを持っているんです。坂田はビジョンを含め深く考えることが得意で、私は実行に移していくことが得意。実際にチームを組んで協働した経験もあり、相性の良さを感じていました。彼となら人生を賭けた挑戦が出来ると思ったんです。でも40歳での起業ですからリスクは当然あります。私自身、もしうまくいかなかったら今の貯金で何年生きていけるか、、など考えました。

意外と知らない、「認知症」という現実

共同創業者の坂田さん(右)と

ーそしてAOGUを創業されたわけですね。AOGUはAIで認知症で苦しむ方とその家族をサポートするサービスですよね。どうしてこの領域にチャレンジしようと思われたんですか?

起業することになっていろいろな事業アイデアを出し合ったんですが、私も坂田も原体験として認知症の介護をしたことがあり、また2人とも医療系ITで仕事をしていたのでこのテーマに対する課題の解像度も高かったんです。私たちは医療系で働いていたので、医療の力にとてもリスペクトを持っています。バイオ医薬品の進化なんて本当にすごくて、以前は諦められていた疾患がどんどん治療できるようになっている。でも、認知症だけは違う。治療薬で根治させる目処が立っていない。あんなに複雑で苦しい課題が令和に残っていていいのか、と感じていたのでここにチャレンジしてみよう、と。

ー認知症についてあまり理解していなくて恐縮なのですが、どんな症状のことを言うのでしょう?

認知症は、記憶や思考、判断力などの認知機能が低下し、日常生活に支障が出る状態を指します。代表的にはアルツハイマー型認知症で、短期記憶の障害が目立ちますが、注意力や遂行力、見当識などが影響を受ける場合もあります。アルツハイマー型や脳血管性、レビー小体型など複数のタイプがあり、これらを総称して「認知症」と呼びます。

ー認知症というと凶暴になったり人格が変わってしまうことなのかと思っていました。

一般的にはそういうイメージを持っている方が多いですよね。もう少し詳しく説明すると、認知症は多くの場合、短期記憶の障害から始まり、注意力や遂行力、見当識なども徐々に影響を受けます。その結果、社会的な生活を送ることが難しくなり、周囲との関係がぎくしゃくしたり、塞ぎ込んでしまうことがあります。さらに、感情の起伏や排泄の失敗など日常生活でのトラブルが生じることもあります。現代の医療では根本的に治すことはできないため、認知症とどのように付き合っていくかがとても大切になります。

ーなるほど・・・・自分で認知症と認めるのも勇気が入りそうですね。

そうですね、初期症状の方はなかなか受け入れることができず、自分が認知症だと認められないことも多いようです。ただ、認知症自体は治せないのですが、その周辺の症状は適切なケアや環境調整によって改善が期待できる場合があるんです。認知症を受け入れ、どのように付き合っていくかが大切なのです。そこで私たちが開発しているのが「AOGUこころ」というぬいぐるみ型のAIです。

認知症患者とその家族を救う、AOGUこころ

ーここでAOGUこころが出てくるのですね。どのようなサービスなのでしょうか?

簡単に申し上げると、本人の安心とケアラーの負担軽減を同時に実現するぬいぐるみ型AIです。ご家族など周囲の方々が認知症本人と適切なコミュニケーションを取り続けるのは、正直難しいことになることも多い。私も親族の認知症患者のケアをしたことがあり、とても苦しんだのを覚えています。認知症への対応法を学んでもそれを実行し続けるのはかなり難しい。20年以上のキャリアを持つケアマネージャーも、自分の家族が認知症になった時は適切なケアを続けることがかなり難しいそうです。人だけで抱えるにはあまりにも負担が大きい問題なのです。

ーめちゃくちゃこのサービスの意味がわかりました。確かに人間では難しそうですが、AIならしっかりと対応してくれそうですものね。

そうなんです。AIがすごい精度でアウトプットを出せるようになった今だからこそ実現できるサービスだと思っています。今は試験導入をしながらAIのプロンプトや開発をしている段階で早ければ年内、遅くとも来年には正式ローンチしたいと思っています。

ーありがとうございます。では最後に、今後の展望を教えてください!

このプロダクトは完全な競合は実はまだほとんどないんです。AIで動く癒し系ロボットはいろいろなメーカーから出ていますが、私たちのように認知症ケアに特化したプロダクトはない。ベンチマークする存在がいないので四苦八苦していますが、私たちは認知症患者様とそのご家族を本気で救いたいと思っています。まずは国内でプロダクトに磨きをかけ、ゆくゆくは海外の高齢化社会(例:北米・アジア)にも共通する課題に挑みたいと考えています。

ーとてもいいお話、ありがとうございました!

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