マイナビ卒業生は今、どこで何をしているのかを追う「あの人は今」。今回は須藤真由さんを取材させていただきました。
須藤さんはマイナビに中途で入社し、就職情報事業本部で大学訪問を担当するキャリアサポートで活躍されました。「マイナビのことが大好きだった」と語る須藤さんですが、その後転職し、ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)のサービスを展開する株式会社JobRainbowに転職します。
須藤さんはなぜ転職したのか?そして知っているようで意外と知らないダイバーシティについてたっぷり聞いてまいりました。マイナビのアルムナイ云々関係なく、めちゃくちゃ参考になるインタビュー記事となりました!必見!
(取材:羽田啓一郎)
マイナビの仕事の価値を実感し、マイナビが大好きだったのに辞めた理由
ー今日はよろしくお願いします!まずマイナビ時代のお話を伺いたいのですが、須藤さんはマイナビは中途入社なんですね?
はい、前職は人材派遣の会社で働いていましたが、2015年にマイナビに転職してきました。就職情報事業本部のキャリアサポートとして名古屋で働き、その後竹橋や西東京支社で働いてきました。2023年に退職したので8年間、マイナビにはお世話になっていましたね。
ー8年勤めてなぜ退職されたんですか・・?何か嫌なことでもあったんですか?
いえいえ(笑)。私、マイナビのことは大好きだったんですよ。営業の方は企業の課題解決に向き合っている姿勢を感じていましたし、私の所属していたキャリアサポートの皆さんも大学や学生さんに向き合っていました。そんな人たちの中で働いていたので私も頑張れていましたし、自分が社会に対して価値提供できている実感がありました。だからマイナビのことは大好きだったんです。
ーそれなのになぜ退職されたんですか?
「マイノリティ」と呼ばれる人たちに何かしたいなと思うようになったからです。人の集合体である社会はどうしてもマジョリティの意見や利益が優先されるようになってしまい、マイノリティの声や意見は見えづらくなりがちです。でも、そういう人たちは絶対にいます。それは巨大化していくマイナビという組織、サービスに対しても感じていました。そんなモヤモヤを持っている時に、今働いているJobRainbowという会社に出会ったんです。ここはLGBTQをはじめ、障害・ジェンダーギャップなどの課題を解決し、企業や社会のダイバーシティを実装するためのビジネスをやっている会社で、ここで働いてみたいなと。
ー確かに須藤さんがマイナビにご入社された2015年頃はマイナビというサービスや組織が急拡大していた時期ですものね。マスになっていく中で見過ごされてしまう存在に関心が移った、と。
はい、JobRainbowは大きく分けて三つの事業を展開しています。ダイバーシティを重視している会社の求人サイト事業、D&Iアワードという企業の取組に対する認定・評価事業、そして企業研修やコンサルティング事業です。私は最後の研修やコンサルティング事業を担当しており、「社員教育や制度改革・商品やサービス開発にD&Iの視点を取り入れたい!」と考える企業様に対する法人営業と研修講師の仕事をしています。
そういえば意外と知らない、ダイバーシティに関する根深い問題
ーダイバーシティ&インクルージョン(D&I)などは最近よく聞きますし、盛り上がっている印象を持つのですが、そもそも何で企業はそんなにダイバーシティに取り組もうとしているのですか?
端的に言ってしまうと、ダイバーシティに取り組むことは企業の経営戦略に影響があるからです。大きく二つありまして、まず一つ目は働く人の価値観や状況の変化です。昨今の若い人々、Z世代などと呼ばれたりしていますが、若い人材にとって、多様性はもはや当たり前の話。多様性が認められていない企業には就職したくないと感じています。実際、ある調査ではダイバーシティに取り組む会社とそうでない会社があった時に、ダイバーシティに取り組む企業の方が年収50万円低くても、入社先として選ぶ学生が約70%もいたそうです。マネジメント層もこの価値観を理解しなければ、入社後に考え方のギャップが生まれます。ジェネレーションギャップではなく、D&Iの理解度が原因でコミュニケーションエラーが起こることもあるので、今後必須の知識となると思います。もちろん、Z世代だけでなく、介護をしながら働いている・海外にルーツがある・LGBTQ当事者であるなど、様々な状況の方がいます。自分の当たり前が、目の前の人にとっての当たり前ではないという視点は、人・組織・社会にとってとても重要な視点です。
ー確かに今の学生からしたら多様性なんて当たり前で、「ダイバーシティ」に騒いでる大人に違和感持ってたりしますもんね。二つ目の理由は?
ずばり、企業として生き残るためです。単純に、これから労働人口が減っていくわけです。そういう環境下で、「活躍できる人物像」を限定してしまうと、労働力は減っていきますよね。たとえば、「30代の体育会系の男性が活躍できる」という“活躍できる人物像”があるとすると、採用の場面で求職者の本質を見ることができない…人物像に当てはまらない人はモチベーションが下がり生産性も上がらない…一見人物像に当てはまる人も、過度な期待を受けてメンタルに影響が出たり、「持病がある」「家族の介護をしなければならない」などの事情があったとしても言い出せないなど…様々な問題が発生します。また、同質な人材の集まりからはイノベーションは生まれないとも言われています。VUCAの時代に、旧態依然のビジネスを続けていては企業は生き残っていません。持続的なイノベーションを起こすためにも、多様な人材が活躍できる組織であることは企業の経営課題なのです。
ーなるほど、よくわかりました。でも何かダイバーシティと言いつつ、ジェンダー問題ばかり目立ってる気がしているのですが、そのあたりの実態はどうなんですか?
おっしゃる通り、女性活躍推進は政府含め盛り上がりましたが、他はそこまでの盛り上がりが起こせていないのが正直なところです。女性は目にみえる違いがあるので取り組みやすいんです。例えばグレーゾーンの障がいやLGBTQは目に見えませんし、自分からは言いづらかったりもします。結果、「うちの会社にはいないですね」と思われてしまうのです。
ーなるほど・・・・ご本人が言わない限り、会社も当事者意識を持てないということか・・。だから目にみえるジェンダーだけが盛り上がってるようにみえるのですね。でも、ジェンダー問題も、とりあえず女性管理職比率上げとけ的な会社多い気がします。なんかそれって、本質的ではないですよね?
はい、確かに女性の管理職比率をとりあえず上げる、みたいなパワープレイは本質ではありません。ただ、長い目で見れば女性の管理職が多い状態はプラスなんです。例えばこんな実験があります。白人と黒人がいて、白人だらけの試験会場で黒人に試験を受けさせるより、黒人白人半々の試験会場で受験させた方が黒人のパフォーマンスは良かったそうです。つまり、自分と同じ属性の人がいるとパフォーマンスが発揮されるのです。なので、数だけ達成させるだけだと本質ではないんですが、過程だと思えば効果はあるのです。
ダイバーシティ、まずは何から取り組むか?

ーいや、めっちゃ勉強になります。マイナビの思い出をインタビューするとかどうでもよくなってきました笑。
いやいや(笑)。でもマイナビ時代に私はお客様やユーザに向き合うという仕事の基本的なスタンスを学びました。それは今でも自分の仕事のベースになっています。マイナビのことは、今でも本当に大好きなんですよ。
ーダイバーシティにこれから取り組む企業ってまずどこから始めればいいんですかね?
いろいろありますが、おすすめは社内にマイノリティがいる前提で取り組みを始めることです。マイノリティがどれくらいいるかを調査することから始める会社もあるのですが、「うちの会社はマイノリティに優しくない」と感じている社員はアンケートに正直に答えてくれません。でも実は、障がい、LGBTQそれぞれ10人に一人はいるそうです。そして介護をしながら働いてる人は全世代だと5.4%、55歳~59歳の働いてる人に絞ると12.3%もいます。そしてそういう方々は「自分は介護してるから残業できない」など言うと評価されないと思って口外しない傾向にある。つまり、社内実態調査をしなくても社内にマイノリティがいる確率が高いのです。
ーそんなにいるのか・・・。であれば確かに実態調査より取り組みをはじめた方がいいですね。やはり研修などを通して社内啓蒙していくんですかね。
そうですね、トップダウンの取り組みじゃない限り、まずは経営層に自覚と理解をしてもらう必要があります。そしてできれば、ダイバーシティの専任部署を作ることです。ダイバーシティに取り組むと言うことは、社員の考え方や価値観を変えると言うことです。そしてこれは研修をやれば解決するという簡単な話ではなく、社員一人一人が自分ごと化する必要があります。そのためには研修を繰り返しやり続け、社内に浸透させなければなりません。それをやり切るためには専任部署が必要です。来年4月からは従業員100人以上の企業は男性育休の目標設定が義務化されますし、LGBTQの理解増進法も施行されました。少しずつ社会実装されていくはずなので、マイナビアルムナイのみなさんの会社もまだ取り組まれていない会社があれば検討していただきたいですね。あ、一つ告知していいですか?
ーはいどうぞ!
弊社ではD&I検定という教材とテストがセットになっている商品があります!こちら、個人だと8,000円なのですが企業単位でお申し込みいただくと半額でご提供可能です。D&Iの自分ごと化としては非常に良い商品で、社名は言えませんが超大手企業が複数社、全社員への導入が進んでいます。皆様もぜひ!
ーということで関心ある方は下記からお申し込みください!須藤さん、ありがとうございました!


