あの人は今vol7:酒井 聡さん

マイナビ卒業生は今、どこで何をしているのかを追う「あの人は今」。

今回はマイナビに新卒で入社し、教育広報事業部で働いた後に株式会社ニューロープを立ち上げ、ファッションとAIを軸に事業展開されている酒井さんにお話を聞いてきました。起業家としてキャリアを歩みながらも学校法人の准教授や純文学への挑戦などパラレルに活躍している酒井さんの今に迫ります。

(取材:羽田啓一郎)

起業を視野に入れ、転職

ー酒井さんは教育広報事業部ご出身ということですが、マイナビ在籍時はどのような仕事をしていたのですか?

僕は2009年に新卒で入社して、教育広報事業部に配属されました。仕事内容は、マイナビ進学の記事校正や事業推進として営業支援の仕事です。そして2012年3月にアプリ開発の会社に転職したので、3年程度しかマイナビにはいなかったんです。

ーあ、マイナビ退職後にすぐ独立ではないのですね。どうして転職しようと思ったのですか?

マイナビ2年目の時に将来的に起業したいという思いが出てきたんです。マイナビ時代は発注者側の仕事をずっとしていましたが、起業をするなら手を動かして開発する側の経験を積まないとダメだなと思って、アプリのプランナーとして転職をしましたね。

ーどうして起業をしようと思ったのですか?

マイナビにいても自分が偉くなれる気がせず(笑)。もともと本を読むのが好きで、経営者の本を読むのにハマっていた時期があって、自然と起業家に憧れるようになったんです。特に影響を受けたのが孫正義さんで、孫さんが「流れの早いところで挑戦しなければダメだ」とおっしゃっていてそれならITだろう、とアプリ開発会社に転職したんです。そこで営業企画やPMなどの経験を2年積んで、それから起業しました。27歳の時です。

ーどのような領域で起業されたんですか?

ファッション領域ですね。もともとファッションは好きでしたが、そこまで強いこだわりがあったわけではないんです。でも、インフルエンサーと一緒になって展開するファッションメディアのアイデアを磨いてサイバーエージェントの起業家育成プログラムに参加したら、サイバーエージェントの藤田さんから「面白いからこのアイデアなら出資するよ」とおっしゃっていただいて、よしやろう、と。

事業、資金繰り、経営者としてトライアンドエラーの連続

ファッションに特化したAIサービスをリリース

ー実際にやってみてどうでしたか?

結構苦労しましたね・・・(苦笑)。ちょうど、時代的に大手企業がキュレーションメディアを始めた時期で大手と戦うことになってしまって。インフルエンサーとの繋がりは多かったのでインフルエンサーマーケティングなども始めてみましたがなかなか難しく・・・。アートメディアを立ち上げたりしばらくはトライアンドエラーを繰り返していました。

ートライアンドエラーを繰り返していた時期はお金はどうしていたんですか?

Webやアプリの受託開発をやっていました。僕以外にもエンジニアの社員もいたので当面の運転資金はクライアントのアプリ開発を請け負って回していました。でもそれがやりたくて起業したわけではないので、この時期は色々苦労はしていましたね。

ー起業家にとってファイナンスは悩ましい問題ですよね・・・。

ブレイクスルーできたのが2018年です。ここでファッションに特化したAIをリリースしたんです。画像認識のテクノロジーを搭載したAIで、ECサイトに導入したりトレンドの分析ができるツールを企業に提供していくビジネスを始めました。ただ、ようやく会社が伸びてきたと思っていたらコロナがきて・・・。

ーコロナはやはり影響ありましたか。

はい、ほとんどのアパレル企業が被害を受けたと思います。僕らもこの2,3年はしんどかったです。数ヶ月先のお金がなくて資金調達をする、調達をするとそのお金で赤字を掘ってアクセルを踏め、と投資家に言われる・・・。なかなか苦しい日々が続きましたね。でも悪い事ばかりでもなくて、僕に准教授にならないかという打診があったんです。

事業売却、教育者、作家とキャリアの複線化へ

ー准教授?

ファッション系の専門職大学の学部長からファッションテックの授業をやってくれないか、と依頼があったんです。トレンドをデータで分析したり、生成AIでファッションアイテムをデザインする、という授業を今担当させていただいています。

ー会社経営をしながら教職にもつく、というのは珍しいキャリアですね。今後は経営者としてどのようなことを目標にされているのですか?

コロナも明け、自分たちのサービスをまずは伸ばしたいですね。受諾開発も今はやらずにちゃんと経営ができるようになってきました。僕らは4回資金調達しているので、ゆくゆくは売却をしたいと思っています。それが、これまで投資をしてくださった投資家への責任だと考えています。売却先で自分もその会社に移り、このサービスを成長させていけたらいいですね。ファッション業界は薄利多売でテクノロジーを本格的に取り組めるのは必然的に大企業になります。もし大企業に売却してグループ会社の社長として移籍できたら、マイナビでは叶わなかった大企業の役職者に僕もなれますね(笑)。

ー売却して終わりじゃなくてサービスには関わりたいという思いがあるんですね。

売却の条件がどのようなものになるかにもよりますが、ファッション領域に愛着があるんですよ。テクノロジーも文化的なものも両方好きなので、AIでファッションに何ができるか。まだできることがあると思っています。めちゃくちゃ儲けたいというわけでもなく、ファッションは自分の興味分野なのでこれからも仕事として関わっていきたいですね。興味分野というと、僕は今純文学の執筆をしていて賞にも応募しているんです。純文学作家になれたら、マイナビ社員初ですかね(笑)。

ー会社経営に准教授、そして純文学と幅広いですね!では最後に、マイナビ時代の経験で役に立ったことはありますか?

スキル的な話でいくと僕はマイナビ時代にはメディア運営の仕事をしていたので、ライターや外部パートナーとの付き合い方を学びました。マニュアルを作ってあらゆるパートナーの仕事のクオリティの標準化をするノウハウは、その後のファッションメディア運営にかなり役立ちました。そのほか、広告運用をはじめITビジネス全般をカバーする経験ができたのはありがたかったです。あとはマインド面ですね。正直、当時は社内政治とかくだらないと思っていたんです。でも、色々な人たちと円滑にビジネスを進めるためには、ある程度のコミュニケーション機会は必要だなと今は思っています。後から感じたことですが、当時の営業の振る舞いなどから学ぶことはたくさんあったなと。

ニューロープ

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